回避型愛着スタイルと恋愛・夫婦・パートナー関係
「回避型愛着スタイル」という言葉を知っていますか?
「愛着スタイル」とは、親しい人との関係性の築き方のことです。なかでも回避型愛着スタイルは、「相手との関係において不安が生じた際に、相手から離れることで安心を取り戻す傾向」のことを指します。
回避型の傾向がある人の特徴として、プライベートでの人間関係、特に恋愛や夫婦、パートナー関係において課題を抱えやすいことが挙げられます。
このコラムでは、回避型の方の恋愛やパートナー関係における困りごと、またそれをどのように克服していくのか(あるいは折り合いをつけていくのか)について、書いてみたいと思います。
回避型愛着スタイルの原因と特徴
回避型愛着スタイルの原因は、幼少期の人との関わり方にあります。
子供は不安を感じたとき、特定の大人(多くの場合は母親もしくは父親)に助けを求めます。子供は抱っこをしてもらったり、話を聞いてもらったり、なぐさめてもらったりするなかで、自分の不安を解消していきます。こうした体験を積み重ねると、信頼できる人に支えてもらっている感覚によって、他者の力を借りずとも自分で不安を解消することができるようになっていきます。
一方、子供が不安を感じたとき、大人が取り合わなかったり、拒絶をしたり、怒ったりしたらどうでしょう?
子供は、不安を表出することで、むしろ不安な状況になってしまい、「それなら自分のなかで解決した方がよい」と考えるのが自然です。不安なことが起こったとき、本当は信頼できる人に頼ることで安心を得たいところ、それが叶わず、相手から距離をとることで、自分のこころの平穏を保ってきました。回避型愛着スタイルは、自分のこころを守るための手段であり、苦しい経験の積み重ねの結果と考えることができます。
「回避型愛着スタイル」という名前がつくと、あたかもそれが病的で、良くないもののような気がしてしまいますが、回避型愛着スタイルの本人が悪いわけではありません。まだ幼い子供が、この世界で生き延びるために学習した戦略の一つなのです。
回避型愛着スタイルと恋愛、パートナー関係のお悩み
こうした回避型愛着スタイルを身につけた子供が大人になったときに、どのような課題を抱えやすいのでしょうか。
カウンセリングにおいて伺う、お悩みの一例は以下のようなものです。
・パートナーと深い関係が築けない
・パートナーとの関係性が途切れやすい
・結婚に踏み出せない、踏み出すのが怖い
・孤独感、孤立感を感じる
・あまり感情を表に出さず、他者から「冷たい人」「何を考えているか分からない人」などと言われる
回避型の方は、親しい人との関係において、不安・不和・摩擦を感じたときに相手から離れることで安心を取り戻そうとします。
確かに、離れることで一時的に安心を取り戻すことはできます。しかし、本来、相手との関係において不安を感じるときは、相手と自分の考えが異なっているところから生まれるものであって、たとえ多少感情的になったとしても、その考えの差異について話し合うことで、関係性が深まっていきます。
回避型の方は、自分の感情を相手に伝えることや相手との関係性を深めることに強い不安を感じます。こうした関係性を深めるプロセスを避けてしまうことから、困りごとが生まれてくるのです。
「治す」のではなく、まずは自己理解から
ここまで書くと、「どうやって治したらよいのか」と考える人が多いのではないでしょうか?
「治す」という言葉には、「今の状態が病的であり、健康な状態に戻る」という意味合いを持ちます。しかし、回避型愛着スタイルは、病気ではありませんし、今の状態のままでも問題なく日常生活を送っている人も大勢います。むしろ、回避型の方は、自分ひとりで対処するくせが身についていることから、課題解決能力に長けている人も少なくありません。
カウンセリングにおいては、「治すか」「治さないか」はひとまず置いておいて、まずは「自分を知る」ということをお勧めしています(クラエイントさんが具体的な困りごとを抱えていて、なるべく早く改善したいと考えているのであれば、自分を知る前に改善を目指すこともあります)。
先に記載した通り、愛着スタイル理論は、幼少期の親しい人との関わり方が、現在の他者との関わり方に影響を与える、という考え方をします。
自分を理解するときに、鍵となるのは、自分の母親、父親はどんな人かということです。
その他、兄弟との関係性はどうだったか、祖父母との関わりはあったか、友人関係、学校の先生、先輩後輩との関係など、さまざまな関係性が影響して、今の自分の性格を形作っています。
カウンセリングでは、身近な人との関係性を整理すること、過去の出来事を振り返ることによって、自分について少しずつ理解を深めることができます。
自分を理解したうえで、もし回避型愛着スタイルによって、大切な人を傷つけてしまったり、自身が孤独感を感じていて解消したいと考えているようであれば、人との関わり方を工夫してみる必要があります。
工夫の仕方は、人によってさまざまですが、大きな方向性は、不安、不満、不和が生じたときに、相手と向き合うこと、一緒に解決を目指すことで、他者と関係性を深めていけるようになることです。
新宿しろくまカウンセリングで自分の性格について一緒に理解を深めることができます
新宿駅徒歩5分の場所にある新宿しろくまカウンセリングでは、愛着スタイルに関するお悩みをご相談することができます。
カウンセリングをご希望の方は、下記にてお申込ください。
