「なんだかしんどい」と思ったら、セルフケアを取り入れてみませんか
「なんだかしんどいなあ」「息詰まる感じがする」など、クリニックや病院に行くほどではないけれども、不調を感じることは、誰しもあると思います。
しんどさの原因がすぐにわかり、取り除くことができるのはまれで、しんどい気持ちとままならない日常をうまく受け入れながら過ごさなければならないこともあるでしょう。
そんなときは、メンタルヘルスのセルフケアを取り入れてみるのがおすすめです。
この記事では、心理カウンセラーである筆者がおすすめするセルフケアを全部で10個紹介します。
心理学の理論や筆者のカウンセラーとしての経験をもとに、より多くの人にとって効果があるものを記載しています。
心理において、専門家の意見よりも大事なことは、「あなたがどう感じるか」ということです。
自分の直感を信じて、取捨選択をし、自分に合ったセルフケアを日常に取り入れていただければと思います。
うまく手を抜く
日常が忙しく、抑うつ的になると、「○○しなければならない」と「べき思考」で考えてしまうきらいがあります。広い視野を持って考えることが難しくなり、あたかも選択肢が1つしかないように思えてしまうこともあるでしょう。
しかし、よく考えてみてください。本当にそれはしなければならないことでしょうか?
例えば、「栄養のあるものを食べなきゃいけない」「毎日夜におふろに入らなければならない」など、確かにそうした方がよいのですが、それを守るよりも、うまく自分を甘やかして、心を健康に保つ方が大事なときもあります。
「ちょっと疲れたなあ」というときは、上手に手を抜くことを考えてみましょう。
日記をつける
夜寝る前に、その日考えたことや思ったことを、書き留める方法があります。
特に、読書が好きな方や、文章を書くことに抵抗がない方にはおすすめです。
書くということは、自分の心に向き合い、頭のなかを整理する行為です。書くことで、「ああなるほど、あのとき、こんなことを思っていたのか」と認識できます。
心理学では、心のなかで起こっていることを、外に出すことについて「外在化」と言います。外在化することで、自分と問題を切り離して、客観的に捉えることができるようになります。
気兼ねなく会話をできる人を見つける
自分の気持ちや考えを率直に話せる人がいることは、とてもすばらしいことですよね。
良質な人間関係は、人を慰め、時に人を成長させる力があります。
しかし、社会人になるとそういった人を見つけるのは、なかなか難しいと思います。
そんなときは、他愛もない話ができる人を、何人か見つけられるといいですね。
例えば、よく利用するカフェの店員さん、犬の散歩のときに見かけるご近所さん、たまに行く銭湯で会う番台さん。本当にささいな会話でもいいと思います。「毎日暑いですね」や「金曜日はお店が空いているんですね」など、そのときふと感じたことを話してみてください。
人に頼るスキルを身につける
「自立とは依存先を増やすこと」といったのは、小児科医の熊谷晋一郎先生です。
障がい者の方は「自立した生活を送れるように」とよく言われるそうで、その文脈のなかで生まれたものだそう。
心理の文脈でも、似たようなことが言えると思います。
しんどくなったときに、相談できる人(相談してもいいと思える人)がたくさんいる人ほど、より安心感をもって日常を過ごすことができます。
人に頼るのは、日々の訓練のなかで、少しずつ身に着けることができます。
慣れていないときは、些細なことから始めてみるのがおすすめです。例えば、テレワークをしているときに、パートナーにコーヒーを入れてもらう、といった感じです。
多くの人が思うよりも、人は頼られると嬉しいものです。
やってもらったときには、気持ちをこめて感謝の言葉を述べ、逆に相手がしんどそうなときに、ぜひ相手のことを助けてあげてください。
別の捉え方がないか考えてみる
気合を入れて準備したプレゼン資料を上司に見せて、ダメ出しがでたときに、落ち込んでしまった、ということはあると思います。
そんなときは、今回のできごとについて、別の捉え方ができないか考えてみましょう。
例えば、「プレゼン本番でダメ出しをされるよりも、今ダメ出しされてよかった」と考えてみてはいかがでしょう?あるいは、「ダメ出しを受けることで、より良い資料にブラッシュアップすることができる」と考えることもできます。
心理学では、「自動思考」という言葉があります。出来事に対して、意思とは関係なくパッとでてくる考えのことです。
自動思考は、自動的に浮かんでくる考えのため、その考えしかないように思えてしまうところがやっかいです。
自分がどんな考え方の傾向があるのかを考えてみるといいですね。
「ま、いっか」とつぶやいてみる
自分ではどうしようもないことまで、無意識のうちに自分のことのように感じてしまうことがあると思います。
こうした方は、自責の気持ちが強く、努力家で、周囲から頼られることも多いでしょう。
しかし、世の中には、自分の力ではどうにもならないことも多く、どうにもならないものをどうにもならないものとして、あきらめ、受け入れることも、時には必要です。
そんなときは、「ま、いっか」とつぶやいてみてください。
例えば、愚痴っぽい母親、言い訳がましい店員、さぼりがちな上司。「ま、いっか」とつぶやき、その人に対してどうにかしようとせずに、そのままにしておきましょう。
あきらめるスキルは、その人の心を楽にします。
仕事が休みの日は、心を休める
『いまの人は、みんな、「何かしなければ」と思いすぎる。』と語ったのは、日本の心理学者である河合隼雄先生です。
「何をすべきか」についての情報は、世の中にあふれています。
最近は、「タイパ」という言葉があり、時間を効率的に使う考えが広まっているそうです。
一方、メンタルヘルスのことを考えると、休みの日は、効率的・生産的な考えを脇において過ごすことも重要です。
効率を意識しすぎるあまり、仕事をしていない日でも、心が休まっていない人は多いように思います。
ときには、自分の心を休める日を作ってみてはいかがでしょうか。緑が多い場所に行く、ヨガをする、映画を見て思いっきり泣く。みなさんの心がリラックスする休日を過ごしてみてください。
日常にある小さな「良いこと」を見つける
気分が沈んでいるときは、普段はなんとも思わないことに対してまで、イライラしてしまうこともあると思います。嫌なことばかり起こってしまって、ついていないなあと感じられるのではないでしょうか。
しかし、よくよく考えてみると、あなたの日常のすべてのことが嫌なこととは限りません。
夕方に気持ちの良い風が吹いたり、大好きなカツサンドを残りの1つでゲットできたりと、よく考えると嫌なことのなかにも、良いこともたくさんあると思います。
ネガティブな気持ちのときは、どうしてもネガティブなものに目がいきがちですが、良いことにも目をむけて、ネガティブスパイラルを抜け出せるといいですね。
音楽を日常に取り入れる
音楽には、人の精神に作用する力があります。
皆さんも、明るい音楽を聴いて元気がでたり、悲しい音楽を聴いて涙したことがあると思います。
音楽を聴く、歌を歌う、楽器を演奏するなど、ご自身になじみのある形で、音楽を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか?
なんだかそわそわして、物事が手につかないときは、ピアノを弾いて心を落ち着かせるなど、ご自分なりのうまい音楽との付き合い方が身に着けられるといいですね。
ストレスがかかったときにどうなるかを知っておく
心がしんどいときに、精神的に疲れていることを認識できればよいのですが、精神的な疲れを認識する前に、疲れが身体症状として現れる方も多いです。
ストレスがかかったときに、「のどが詰まる感じがする」「電車に乗るとドキドキする」「みぞおちのあたりが痛くなる」など、人によって身体症状のでかたはさまざまで、ご自身がどんな症状がでるのか把握できておくと良いですね。
症状がでることによって、間接的に「もしかして何かストレスに感じているのかも」と気が付く場合もあります。
セルフケアの一つとして、心理カウンセリングを利用することもおすすめです
新宿しろくまカウンセリングでは、心理カウンセリングのお申込みを受け付けています。
困ったことがなかったとしても、気持ちの整理のために定期的にカウンセリングに通われている方も多くいます。
心理カウンセリングをご希望の方は、以下にてお申込みください。