大学生・大学院生の心理カウンセリングの実際
大学生・大学院生の方にとって、学生生活は、アルバイトやサークルに参加したり・ゼミや研究室に所属したりと、自由度が高く、新しいことの連続です。
そのなかで、何かモヤモヤとした気持ちを抱えることも少なからずあるでしょう。それでも、友達や家族と話をしたり、睡眠をとったりするうちに自然と解決していることも多いと思います。
しかし、モヤモヤとした気持ちがずっと離れず、大きなものとなり、自然と涙がでてきてしまう、食欲がわかない、夜眠れないといった症状がでてきたら、要注意です。
こうした症状がでてきたら、心理カウンセリングを受けることを検討していただくのが良いのですが、大学生の方にとって、心理カウンセリングを受けることは、とてもハードルの高いことのようです。
そんな方のために、このコラムでは、大学生・大学院生の心理カウンセリングをお受けしてきた臨床心理士/公認心理師が、大学生・大学院生の方のこころが少しでも軽くなることを願って、日々考えていることを記載します。
筆者は、特に就活中の大学生・大学院生から、ご相談をうけることが多かったため、就活の視点で書きたいと思います。
大学生・大学院生は、子どもが親から自立する過程にある
2022年に、成人年齢が18歳に引き下げられ、18歳以上の人は、一人で契約をすることができ、両親の監護・教育をする義務から外れることになります。
つまり、大学生になると、社会的に、自立して意思決定ができる年齢とみなされます。
しかし、多くの大学生・大学院生にとって経済的な自立は難しく、経済的な自立が難しい以上、親としては「お金を払っているんだから」、子供としても「お金を払ってもらっている」という、潜在的な意識はあるでしょう。
親が「子供には好きなようにしてほしい」と心の底から思っているケースはまれで、多かれ少なかれ「子供にこうしてほしい」という気持ちがあると思います。
親のこのような期待は、ある側面で子供を成長させ、またある側面では子供の自立的な意思決定を阻むものになっているかもしれません。
子供と親の意思の違いが明確になるのは、就職活動の時期
特に、親子間で意思の違いが明確になるのは、就職活動の時期ではないでしょうか。
大学の入学までは、多くの家庭で「なるべく偏差値の高い学校を目指す」という親子共通の意思があるように思います。
しかし、就職活動になると、親子の足並みの違いが浮き彫りになるケースがあります。
大学生の親は、氷河期で、新卒の際、正社員としての入社が難しかった世代です。運よく入社できても、業績の悪化や経費削減、リストラ等、就労に対する危機感があります。
また、氷河期世代でなくとも、親として「子供に苦労をかけさせたくない」≒「安定した企業に入ってほしい」という気持ちが少なからずあるケースが多いようです。
一方、子供はどうでしょうか。
Z世代と呼ばれ、協調性が高く、個人としての幸福度を重視する傾向にあります。
また、労働市場の流動化や慢性的な人材不足から、企業側は優秀な人材確保に必死です。
少し比較しただけでも、時代背景や役割から想像される親と子供の価値観の違いは明確です。
実際に、就活の軸(=企業を選ぶポイント)として、企業のネームバリューや年収といった分かりやすいものだけでなく、自分のやりたいことはできるか、社員教育はしっかりしているか、転勤はないかといった、さまざまなものが、大学生から聞かれるようになっています。
子供が、自分と親との意思の違いを感じ、親にうまく伝えられる、あるいは、親が子供の意思決定を促すような声かけができれば、子供の自己決定する力が養われていくでしょう。
しかし、子供が親の意思を察し、あたかも自分の意思のように語る場合や、親が子供と自分の意思を混同している場合も少なくありません。
新宿しろくまカウンセリングでは、大学生・大学院生の方の心理カウンセリングを承っております
大学生の方が心理カウンセリングにいらした場合、まずは今のお困りごとについて、じっくり時間をかけてお伺いします。
とはいえ、初対面の心理カウンセラーに、いったい何をどこから話したらよいか、迷われる方もいるでしょう。
そうした場合は、心理カウンセラーの方から質問をする形式で進めることもあります。
もし、話しづらさを感じたら、率直にその旨をお伝え頂ければと思っております。
心理カウンセリングで、いったいどんなことが行われるかご不安な方も多いと思います。
特に、メンタルが落ちているとき、余計に傷つくことを言われたらどうしようと、悩まれる方もいるでしょう。
新宿しろくまカウンセリングのカウンセラーは、いつでもお越しいただいたクライエントさまの味方でありたいと思っています。
皆さんのこころの癒しにつながり、大学生活が少しでも有意義でいきいきとしたものになるよう、精一杯つとめさせていただきます。
どうぞお気軽にお越しください。