うつ病は、再発率が非常に高い病気です。
初発のうつ病の方であれば、約半分の方が再発すると言われています。さらに、再発回数が増えるほどに、より再発しやすくなり、病気の期間が長くなります。
休職中にしっかりと治療をし、着実に仕事に戻っていくためにはどのようにしたらよいでしょうか?
この記事では、休職中を経て仕事復帰した方が、うつ病が再発しないために気をつけることを、ご紹介します。

焦りは禁物。うつ病の治療中は心身ともにしっかりと休む

うつ病で、焦りは禁物です。
休職中は、「早く仕事に戻りたい」「遅れを取り戻したい」と考える方が多いです。
周りの人の仕事での活躍や昇進が気になったり、結婚・出産等プライベートのイベントが羨ましく思ったり、自分は社会から切り離され、取り残された気持ちになります。
しかし、ここで焦ってしまい、例えば「○月までには治そう」と思ったとしても、残念ですが、うまくいかないことが多いように思います。うまくいかないどころか、できなかったことにがっかりしてしまうかもしれません。

いろいろと考えて、焦ってしまう気持ちもわかりますが、こういった行動はすべて、治療から遠ざけてしまいます。
まずは、薬を飲んでよく休むようにしてください。1日ベッドから起きられない日があっても問題ありません。休職前に頑張りすぎてしまったので、うつになってしまったと考えてください。
今は休むときです。うつは、適切に休めば、必ずよくなっていきます。
「急がば回れ」で、療養に専念してください。

自身の考え方や価値観に気がつく

うつ病の原因は、はっきりと分かっていませんが、その人自身の性格や考え方によって、うつ病を発症しやすい方がいます。

例えば、うつ病の発症の原因ともなる考え方や傾向に、以下のようなものが挙げられます。

うつ病を発症させやすい性格
  • 真面目、勤勉
  • 人に頼るのが苦手
  • 責任感が強い
  • 周囲との衝突を避け、温厚

うつ病を発症した、休職中のBさんの例

ここでは、休職を経験したBさんの事例をご紹介します。
なお、本事例は、筆者の臨床経験から得られた知見及び文献に基づき作成した架空の事例です。

Bさんは、一言で言うと、「がんばり屋さんのいい人」です。任された仕事は、自身が少し無理をしてでも必ず期日までに仕上げます。温厚な性格で、後輩に慕われています。
そんなBさんが、業務過多から、うつ病を発症し、休職となりました。Bさんは、休職の初期、業務をこなせなかった自分を責め、休んでいることに対して罪悪感・焦りを感じていました。
休職をとって3ヶ月が経ち、カウンセリングを利用するようになると、徐々に、上司に対して「理不尽に仕事を任せてくる」と怒りを感じるようになります。
また同時に、自身の考え方に目を向けるようになってきました。
最終的に、復帰する際には、「自分は無理をして生きてきたんだと思うが、無理をしていることすら気が付かなかった。これからは、自分の気持ちや希望にもう少し目を向けていきたい」と話しました。

Bさんの場合、もともとうつ病になりやすい性格要因をもっており、そこに「業務過多」という環境要因が重なって、うつ病を発症してしまったように見受けられます。
うつ病の初期に、心身ともに休めたことで、適切に自身の怒りの感情を見いだせるようになってきました。はたから見ると温厚そうな人であっても、実はその裏に、怒りがある可能性があります。
Bさんは、そういった自身の怒りを感じ取ることによって、「実は上司のことが嫌いだったが、嫌いと感じてはいけないと思っていた」ということに気が付きました。
そして、自身がいろんなことを我慢して生きてきたことに気が付きました。

Bさんのように、自身の考えや価値観、生き方に目を向けることによって、「なぜうつ病になったのか」ということが、本人のなかで納得できるようになったら、うつ病の再発率が低くなります。

復職の準備は少しずつ進める

主治医と職場から、職場復帰が可能であるとの判断が出た後は、復職の準備を進めることとなります。
リワークに参加するように職場から提案されることもあれば、職場の担当者と一緒に復職の計画をたてる場合もあります。
今まで休んでいた人が急に週5日、フルタイムで働くのには、無理がありますから、少しずつ働くことに慣れていくイメージです。
基本的には、職場の提案に沿って進めていきますが、ご自身でも少しずつ慣らしていくことが重要です。

例えば、以下のようなことを日常に少しずつ取り入れてみるとよいでしょう。

復職の準備例
  • 決まった時間に寝て、決まった時間に起きる
  • 出勤時間と同じ時間に最寄りの駅に行く
  • 特定の時間に読書をする
  • 夕方に散歩に行く
  • 毎朝ニュースを見る

注意することは、一気にいろんなことに取り組むのではなく、一つひとつやることを増やしていくことです。
まずは起きる時間と寝る時間を一定にするところから取り組み、後は、ご自身が取り入れやすそうなものから取り入れてみてください。

新宿しろくまカウンセリングでは、うつ病で休職中の方のカウンセリングを承っております

新宿しろくまカウンセリングでは、うつ病で休職中の方が多く通われています。

完全予約制で、じっくりとお話をお伺いし、復職に向けて一緒に取り組んでいきます。
カウンセリングをご希望の方は、以下のフォームにてお申込みください。

予約申込み
カウンセリングのお申込みはこちら